不要になった暖房器具を安全・手軽に処分する方法とは?
11月~12月頃の肌寒い時期になると、コタツやファンヒーターなどの暖房器具を出す家庭は多いと思います。ですが、暖房器具は使用頻度が限られているため買ってから10年以上使い続けていたり、ちょっと異音や変な臭いがするけど暖まってはいるから大丈夫だろうと放っていたりしていませんか?
実は暖房器具の寿命は意外に短く、一般的なヒーターやストーブの平均寿命は5年~7年程度とされています。
「えっ?ウチのストーブは10年以上使っていて何も問題ないけれど…」という方も多いでしょう。実際この寿命はあくまで目安のため、使用頻度が少ない場合やきちんとメンテナンスしている場合は10年以上使えることもあります。
しかしどのメーカーにも原則として補修用性能部品の保有期間というものが定められており、これを過ぎてしまうとそもそも部品がないため修理することができません。
また下記の『補修用性能部品表示対象品目と保有期間』を見てみると、電気ストーブや石油ストーブなどの暖房器具類は6年と表記されているため、買い替え時期は大体5年程度を目安に検討すると良いでしょう。
なお、使用状況によってはこれよりも短い期間で不具合が生じたり、熱効率が悪くなったりする場合があります。
「去年よりも温まるまでに時間がかかる」「灯油の消費が早くなった」「電気代が高くなった」「異音や異臭がする」と感じたらそれは寿命が近くなっているサインです。
寒い日に突然つかなくなるだけならまだしも、使用中に発火事故が起こる危険性もありますので、たとえ購入して5年未満でも何か異変を感じた場合は早めに買い替えるようにしましょう。
暖房器具の種類
暖房器具を燃料別に分類すると、「電気」「石油」「ガス」「薪(まき)」の4種類になります。
一般家庭で高価な薪ストーブを使用している家庭は少ないと思いますので、こちらでは一般的によく使われている電気・石油・ガスを燃料とする暖房器具について解説します。
電気暖房
最も種類が多く、オフィスや商業施設でもよく使われているのが電気暖房です。
暖房器具には大きく分けて「対流式暖房」と「輻射式暖房」の2つの種類があり、暖かい空気を対流させることで部屋全体を暖めるのが対流式、機器本体から出る熱を利用して部分的に暖めるのが輻射式です。
電気暖房で分類すると対流式はエアコンとセラミックファンヒーターで、輻射式ではこたつを筆頭に電気ストーブ・電気毛布・ホットカーペット・オイルヒーター・パネルヒーター・ハロゲンヒーター・カーボンヒーターなど豊富にあります。
ちなみにオイルヒーターは輻射式ですが全体暖房で、ヒーター内のオイルを暖めてその熱を循環させることで室内を暖めます。
部屋全体が暖まるまで時間がかかる・電気代がかかるなどの難点はありますが、運転音がほとんどなく空気が乾燥しない、空気を汚さない、火災や火傷の心配がない、掃除・メンテナンスが簡単など多くのメリットがあるため近年人気になりつつあります。
主な暖房器具
- エアコン
- こたつ
- 電気ストーブ
- 電気毛布
- ホットカーペット
- セラミックファンヒーター
- オイルヒーター
- パネルヒーター
- ハロゲンヒーター
- カーボンヒーター
石油暖房
昔からある灯油を燃料とする暖房器具です。電気を使用しない石油ストーブと、灯油と電気を使う石油ファンヒーターの2種類があります。
石油ストーブは石油ファンヒーターと比べると部屋全体を暖めるのに時間がかかりますが、運転音がなく静かなのと電力供給ができない場所でも使用できるのが大きなメリットです。そのためアウトドア用や災害時の備えとして購入している家庭もあるようです。
一方の石油ファンヒーターは灯油を燃焼させて暖まった空気をファンで循環させるため電力が必要で運転音もありますが火災や火傷の危険性が少なく、そして何より短時間で部屋全体を暖められるのが最大のメリットです。
主な暖房器具
- 石油ストーブ
- 石油ファンヒーター
ガス暖房
ガスを燃料とする暖房器具で、電気暖房よりも暖かくて空気が乾燥しにくく、石油暖房のように燃料補給する必要がないという双方の良い所取りのような暖房器具です。
アウトドアなどで使えるカセットガスボンベ式のタイプと、都市ガスやプロパンガスを燃料とする室内用タイプがあります。
ガス会社のテレビCMでも見かける機会が増えたため近年人気になりつつありますが、ガス栓の設置工事やガスコードの購入などの初期費用がかかる点や、ガス栓がある場所でしか使えない点、オール電化の家庭は新たにガスの契約をしないといけない点などから、電気暖房や石油暖房と比べるとあまり普及していません。
主な暖房器具
- ガスストーブ
- ガスファンヒーター
暖房器具は粗大ごみで処分できる?
大阪市では最大の辺または径が30センチを超えるものは粗大ごみとなります。
これに当てはめると大体の暖房器具は粗大ごみとして処分する形となり、縦+横+高さ3辺の合計によって収集手数料の料金が変わります。
料金は1点につき200円、400円、700円、1,000円の4区分となっており、大阪市では以下の料金で不要な暖房器具を処分できます。
ガスファンヒーター 200円
ストーブ 200円
石油ファンヒーター 400円
電気カーペット 200円
電気こたつ 200円
パネルヒーター 200円
処分方法はまず、市のホームページの粗大ごみ申し込みフォームまたは電話受付から回収の申し込みをします。申し込みが完了したら次はコンビニやスーパーなどで品目ごとに「粗大ごみ処理手数料券」を購入し、受付番号を記入したら本体上部などの見えやすい場所に貼り付けます。そして指定された収集日当日の朝までに、指定の収集場所まで運べば完了です。
ちなみに石油ストーブやオイルヒーターは中身を完全に抜いてからでないと回収してもらえません。中に灯油やオイルが残ったままだと発火の危険性があるからです。
少し残っているぐらいなら全部使い切ってから処分すればいいですが、結構残っている場合は必ず適切な方法で処分しましょう。
残った灯油やオイルの処分方法
灯油やオイルは発火の危険性があり、適切に処分しないと火事や爆発を引き起こすこともあります。灯油を使う暖房器具やオイルヒーターを処分する際は必ず中身を空っぽにして、安全な方法で処分しましょう。
特に灯油は廃棄物処理法で「特別管理廃棄物」に指定されているため、普通ゴミに出すことはできません。しかしだからといって川や下水道に流したり、土に埋めたりするのは絶対ダメです!環境汚染はもちろんのこと、気化して爆発する危険性もあるためです。
また、食用油を固める凝固剤も灯油には使用できません。本来は温めた食用油に薬剤を投入し、溶かして固めるのですが、灯油は燃焼性が高く、不用意に加熱すると大火災を引き起こす危険性があります。
これらの方法は自分以外の人達にも危険が及ぶ可能性があるため絶対に行わないようにしましょう。
石油ストーブ・石油ファンヒーターの処分方法
石油ストーブや石油ファンヒーターはタンクに灯油が残ったままだと回収してもらえません。粗大ごみに出す際は必ず中身を空っぽにしておきましょう。
灯油の主な処分方法としては以下になります。
1. ガソリンスタンドに持っていく
最もスタンダードな方法がガソリンスタンドで引き取ってもらうことです。
すべてのガソリンスタンドで行っているわけではなく、またセルフのガソリンスタンドでは対応いないケースが多いため、持っていく前に必ず引き取り可能かどうか確認しておきましょう。無料で引き取ってくれる所もあれば有料の場合もあります。
2. 購入した販売店に持っていく
ホームセンターや灯油販売店で購入した場合はそのお店で引き取ってもらうこともできます。ただしこちらもすべての店舗で対応しているわけではないため、事前に引き取り可能かどうか確認しましょう。
3. 少量の場合は使い切るか可燃ごみに出す
タンク内に残った灯油が少量の場合はいっそのこと空焚きして全部使い切ってしましょう。
もしくは新聞紙や布に染み込ませてから袋に包んで、可燃ごみとして処分する方法もあります。ただし事前に必ず自治体に確認するようにしてください。
オイルヒーターの処分方法
オイルヒーターも石油ストーブと同様に中身を空にした状態でないと回収してもらえません。
ですがオイルヒーターは器具内部の容器にオイルが入っているため、処分の際は外側のパネルと操作パネルを外した後配線を取り外し、ヒーター部に電動ドリルで穴を開けてオイルを抜くという大変手間のかかる作業が要ります。
解体作業には広い場所が必要なうえ、電動ドリルを扱ったことのない方にとっては一苦労だと思いますが、穴が開けられた後はオイルを新聞紙や布に染み込ませ、袋に入れて燃えるゴミとして処分します。
メーカーによっては引き取ってもらえる
オイルヒーターメーカーの中には製品の回収・処分サービスを行っている所もあります。
ただし送料は元払いで廃棄費用がかかる場合もあるようです。
◆デロンギ
送付先
〒311-0106
茨城県那珂市杉603-1
株式会社近鉄ロジスティクス・システムズ 気付 デロンギ・ジャパン株式会社
TEL:0120-804-280
引用元:【オイルヒーター】製品のリサイクルについて
◆フィリップス
フィリップスリコールセンター
0120-666-105
受付時間 : 9:00~17:00
( 土・日・祝日・夏期休暇・年末年始を除く)
引用元:リコール対象製品以外の型番のフィリップス製オイルヒーターをご使用のお客様へ
◆ユーレックス
ユーレックス サービスセンター
〒391-0011 長野県茅野市玉川字原山 11400-1080
0120-457-016
受付時間 9:00-17:00
(土・日・祝・年末年始・夏期休暇期間を除く)
引用元:ユーレックス アフターサービス
不要になった暖房器具は不用品回収に出すのがおすすめ!
故障や買い替えなどで不要になった暖房器具は自治体の粗大ごみや販売元で回収してもらえることがわかりました。しかしどちらの方法も指定の収集場所まで運んだり、灯油やオイルを抜く必要があったりと何かと面倒です。特に引っ越しなどで処分を急いでいる時は収集日が指定されていると困ると思います。
そこで、できるだけ安く・手軽に不要になった暖房器具を処分したい場合は、不用品回収業者に回収の依頼をするのがおすすめです。
不用品回収のメリット① 自宅まで回収しに来てくれる
暖房器具は物によっては結構な重量があるため、女性やお年寄りだと搬出するのも一苦労でしょう。その点、不用品回収業者は自宅まで直接回収しに来てくれるため、石油ストーブなどの重たい暖房器具も持ち運ばなくて済みます。
また、回収日は希望する日時を指定できる他、業者によっては最短即日で対応してもらえるので、引っ越し日があと数日まで迫ってきている時には非常に便利です。
不用品回収のメリット② 購入後5年未満の物は買い取ってもらえる
最初の方でも説明しているように、暖房器具の耐用年数は5年程度です。
また補修用性能部品の保有期間も6年のため、購入から5年以上経過している暖房器具はたとえ状態が良くても安全面を考慮して買い取ってもらえないケースがほとんどです。
しかし逆に言えば、購入から5年未満で比較的状態の良い物であれば買い取ってもらえますので、購入したものの思いのほか使い道がなかった・電気代が高くついたなどの場合はいっそのこと買取に出してみるのも良いでしょう。
うまくいけば買取金額で回収費用を抑えられますし、もし買取不可でも暖房器具以外の不用品の買取金額で補える場合もあります。
ちなみに高額査定を目指すなら冬になる手前の秋頃がベストです。シーズンが終わってからだと需要が低くなってしまうため、中古市場が活発になるタイミングを見計らって売るようにしましょう。
不用品回収のメリット③ 灯油やオイルがそのままでも回収してもらえる
暖房器具を自治体の粗大ごみ回収に出す場合は必ず灯油やオイルを抜いてからでないと処分できません。しかし前述の『残った灯油やオイルの処分方法』にもあるように、灯油やオイルの処分には地味に面倒な作業が伴います。
その点、不用品回収業者に依頼すれば持ち込みや可燃ごみとして処分する手間が省ける他、搬出する必要もありません。ただし灯油は「特別管理廃棄物」に指定されている危険物ですので、依頼前に業者の方で処分可能かどうか確認するようにしましょう。
まとめ
暖房器具は安全性の観点から、5年未満の物でないと基本的には買い取ってもらえません。
そして処分するにも色々と手間がかかるため、もし買い替えなどで不要になった暖房器具がある場合は不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
また引っ越し前で新居に古い家具家電を持ち込みたくない場合は、暖房器具以外の物も全部まとめて処分を依頼すると良いでしょう。
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