不用品回収にともなうトラブルのあれこれとその対処方法
不用品回収を依頼した際にトラブルに見舞われたという話は、残念ながら決して少ないものではありません。
ですが、事前に調べて置くことで悪質業者に騙されず、大半のトラブルを回避することが可能になります。
また、実際にそういったトラブルに見舞われてしまった際の対処方法や相談先を知っておくことにより安心できる依頼を行うことができます。
ここでは実際の事例を含めて上記の内容をご説明してゆきます。
不用品回収に関する相談の種類
2021年度に国民生活センターに寄せられた不用品回収(廃品回収サービス)に関する主な相談内容は消費生活相談データベース(PIO-NETより)で検索したところ、およそ3252件。内訳を表にすると下記のようなものになりました。
相談内容 | 件数 |
安全・衛生 | 1 |
品質・機能、役務品質 | 39 |
法規・基準 | 59 |
価格・料金 | 564 |
表示・広告 | 361 |
販売方法 | 918 |
契約・解約 | 1091 |
接客対応 | 217 |
放送・容器 | 2 |
施設・設備 | 1 |
出典:国民生活センター(PIO-NET)
https://datafile.kokusen.go.jp/search
価格、料金、契約・解約、販売方法の項目が全体的に占める割合は約7割。金額にまつわる相談が殆どを占めているようです。
項目として上げられたものは前述のようなものになりますが、具体的な事例でゆくと直近で寄せられたもので以下のようなものがありました。
1.不用品処分の見積もりを5、6万円と言われたがトラックへ積み込んだ後に追加料金を請求された。正しい金額で請求して欲しい。
2.不用品回収の見積もり依頼をした業者と自宅で契約したが、解約したいと思う。違約金が発生するとあるが払う必要があるか。
3.ゴミ屋敷のような状態で賃貸のテラスハウスに住んでいるが早急に引越さなければない。廃品回収業者の信用性等を教えてほしい。
4.家族の遺品整理のため洋服のタンスなどの大型家具を処分したい。どのようにして業者を探せばいいか。
5.インターネットで探した廃品回収業者が見積もりに来た際に、書類にサインをした。契約したことになっていないか心配だ。
6.折り畳みベッドを不用品回収業者に引き取ってもらうために2階から降ろす際壁をキズつけられた。何を求められるか。
7.タンスの処分を不用品回収業者に依頼しようと思ったが高額な引取料金なので再検討すると伝えた。しつこく勧誘されないか不安だ。
8.自宅に配布されていたチラシの業者に電話しソファ等の回収を依頼したが表示のない作業料を請求された。悪徳業者かどうか知りたい
大別すると、やはり金額面に関すること、契約に関すること、そもそもどのように探せばよいのかわからないというものが見受けられます。
それでは、具体的にトラブル別のケースと回避策、対処方法を考えてゆきましょう。
金額トラブル
不用品回収や廃品回収でもっとも相談が多いのが価格に関するものです。自治体による回収ではなく民間の作業によるものなので、統一された値段が設定されていません。(自治体により単価が異なるため全国統一料金というものは存在していません)
前提として、自治体の回収と異なり「片づけ作業」が含まれるために作業料金の設定が会社によって異なります。
作業の内容としては、引っ越しの作業と似通った部分が多数あるので価格感としてそれに近いものを想定しましょう。
自治体による回収は、指定場所まで自身で運ぶ必要があるためこの作業に掛かる費用がありません。また、もともと行政によるサービスなので料金の殆どがすでに税金によって賄われている為に低い単価が可能となっています。民間の業者を探して依頼する際にはまずこれを念頭に置きましょう。
そのうえで、以下のポイントを抑えてください。
・見積無料/キャンセル料金無などの表記の確認。
・見積や完了時の伝票がしっかり印刷されていること、その際にサービス約款や連絡先がしっかり明記されているかどうか確認してください。
・チラシによる集客を行っている業者は比較的トラブルが多いようです。所在地や古物商の許可番号が明記されてないものは要注意です。
・電話による見積依頼の際に対応が悪い場合も注意が必要です。信用が出来る業者はこの時点で対応がしっかりされています。
ポイントをしっかり押さえて、「ボッタクリ被害」に会わないようにしましょう。
契約/解約に関するトラブル
この場合多く見られるのは見積の金額と大きく異なるとか、見積額に満足できなかった場合のキャンセルや、都合により申込をキャンセルせざるを得ない際に、キャンセル料金を要求したり同意を得ないままに作業を行い、法外な金額を請求するというようなトラブルです。
業者を選定する際にホームページ等を参考にして選ぶと思いますが、しっかりした業者はキャンセルについて明記しています。また、前述のように伝票類にサービス約款を掲載しており、様々な約束事を明記しています。
それを踏まえた上で以下のポイントに留意してください。
・所在地の明記されていないチラシやホームページは信用しない。
・ホームページ上にキャンセルに関する表記がある事を確認した上で電話する。(申込から作業完了までの流れを掲載している業者は多くあります)
・見積もり作業に入る前にキャンセルに関しての説明を確認しましょう。できればサービス約款の有無も確認しましょう。
・もし同意もなく作業に入ろうとしたら、物を運び出される前に警察に連絡する等を伝えて抑止してください。
それでも恫喝するようならば「脅迫罪」にあたります。また、同意なく物品を運び出しを始めたら「窃盗罪」(※ケースにより強盗罪)に該当する可能性が高いので警察に連絡しましょう。
作業に関するトラブル
作業にまつわるトラブルはいくつかあります。例えば作業が完了してから見積にない料金を請求され断ると積み込んだ品を玄関先におろすと脅かしたり、積み放題のはずがそうでない、作業中に部屋や建物に傷をつけたり物を壊してしまうなどのトラブルです。
・前者に関しては契約/解約に関するトラブルの対処にそって対応が望ましいです。
・後者に関しては事前に作業中の事故に関して保険の適用が可能かどうか調べることが出来ます。ホームページに損害保険会社名と最大保証金額を明記している場合、その業者は請負業者賠償責任保険などに加入しており何らかの対応を求める事が可能です。依頼をかける前に確認をしておくと良いでしょう。
※請負業者賠償保険とは請負作業遂行中に発生した偶然な事故、または業者が請負作業遂行のために所有、使用もしくは管理している施設の欠陥、管理の不備により発生した偶然な事故に起因して、他人の生命や身体を害したり、他人の財物を損壊(滅失、破損、汚損もしくは紛失すること、または盗取されること)した場合に、業者が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して、保険金を支払う保険(引用:三井住友海上保険の記述より)
買取に関するトラブル
近年増加しているのが買取に関するトラブルです。不用品回収や遺品整理の際に不用品を買取というのはサービスとして良くあるのですが、ついでに貴金属類の有無を聞いて来て、こちらが売る気がないのに無理やり安い値段で買いたたくというものです。最近ではこのような行為を「押し買い」※押し売りの買取版と呼称し消費者庁も注意を喚起するとともに法律も改正され、訪問時の買取に関してはクーリングオフが提供されるようになりました。
それではこのトラブルに関する対処法はどのようなものがあるでしょう。
・不用品回収業者、遺品整理業者が「古物商」の許可を持っているかどうかを事前に確認する。許可のある場合ホームページにその記載を掲載する義務があります。また、その義務を守っている業者は法律に対する意識をもっている比率が高いので、許可番号の確認できる業者に依頼しましょう。
・見積時、契約時に買取伝票にクーリングオフなどの記述が明記されているか確認しましょう。記述がなければその場でその旨を告げ断りましょう。万一強引に買い取られた場合も手元にその記述の伝票が残されていれば、いざという時の証拠になります。
・古物商の免許を持っていない。伝票も発行しない業者だった場合は可能な限りその時のやり取りを書き残しておいて警察や国民生活センターにお相談してください。免許がない、伝票の発行を行わない業者は違法業者です。
参考:押し買いに関する法律 「特定商取引法」
https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorpurchases/
まとめ
まずは依頼する業者の安全性を確かめてから依頼するように心がけましょう。
依頼しようとする業者のホームページのチェックやインターネット上の口コミ、情報サイトによる評価は参考になります。
また、これらのトラブルに見舞われた場合は1人で対処せず「消費者ホットライン」188番やお近くの警察に相談するようにしましょう。
・相談先例
独立行政法人国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/index.html
消費者庁 消費者ホットライン 電話番号は局番無の「188」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
・不用品回収に関する違法業者摘発例
日本経済新聞:「押し買い」で初逮捕 特商法違反容疑、山形
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG09018_Z00C13A5CC0000/
消費者庁:特商法違反の北海道の業者に業務停止命令
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/release/2017/pdf/release_180323_0001.pdf
東海テレビ:「10万円以下」のはずが…不用品回収で33万円脅し取った疑いの業者4人 “ぼったくり”繰り返した可能性
https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20220113_15075
大阪テレビ:無許可の遺品整理業者逮捕
https://www.youtube.com/watch?v=y9BqU-oQ8Nk
・消費者庁による悪質ケースの公表
時事通信社:「追加費用なし」実際は高額 不用品回収2社を公表 消費者庁
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022060100879&g=soc
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