実家がゴミ屋敷に…清掃と遺品整理は業者に依頼できる？

2023年03月30日

「久しぶりに実家に帰省したら、家がゴミ屋敷になっていた」 最近、このような話をよく耳にしませんか？ 帰省のたびに少しずつ物が増えていき、「気付いたら実家がゴミ屋敷状態だった」という例も少なくありません。整理したくても、両親が大切にしているものや捨てたくないと言っているものには、たとえ家族であってもなかなか手出しができないですよね。 今回は、「ゴミ屋敷ができる原因」から「片づけや遺品整理を行う方法」までを知り、その主である家族が亡くなってしまったときにどうすればいいかを見てきましょう。

実家がゴミ屋敷になってしまった…

ゴミ屋敷といっても、一朝一夕にそうなってしまうわけではありません。
実際に今どのくらいの家がゴミ屋敷であることに悩んでいるのか、その実態から紐解いていきましょう。

ゴミ屋敷とは

ゴミ屋敷について明確な定義はありませんが、一般的には「家の中がゴミで埋めつくされており、それに伴う悪臭や害虫の発生によって近隣住民に被害を与えている状態」を指して使われています。
大阪市が平成26年に行った調査では、条例によって認定されたゴミ屋敷が32軒ありました。さらに条例の対象とは言い切れないものの、状況改善に向けた取り組みが必要な状態であるものが63軒ありました。
出典：大阪市のいわゆる「ごみ屋敷」の現状について

つまり大阪市には、およそ100軒のゴミ屋敷が存在していたことになります。年代別で見ると、60代以上が59件、40代から50代が25軒、30代未満が3軒(残りの15軒は不明)となっていました。
こうしたデータからも、高齢者になるほど「ゴミ屋敷になりやすい」「ゴミ問題を起こしやすい」ということが見えてきます。

なぜ高齢者の家にはゴミが溜まってしまうのか

ではなぜ高齢者の家にはゴミが溜まってしまうのか、その理由を見ていきます。
■認知症を発症している
認知症の発症と、ゴミ屋敷には深い関係性があるとされています。認知症を発症すると「ゴミかどうかの判断」が難しくなってしまい、それまでできていたゴミ出しができなくなってしまうからです。
他にも判断能力の低下から、ゴミの分別ができなくなり、違う種類のゴミを同じゴミ袋に入れたり、ゴミ収集日を間違えて出したりしてしまうケースも報告されています。
こういった問題は、加齢とともに誰にでも起こりうることであり、それまで整頓された暮らしをしていたといても「自分たちは大丈夫」と言い切れないのが実情です。
■病気、体力低下
高齢になると病気を抱えたり、体力が低下したりすることも多く、身体的な問題からゴミ出しや部屋の掃除が困難になってしまいます。さらに足腰の衰えによって、掃除や片づけの頻度が減少することで家の中にゴミが溜まってしまうこともよくあります。家族が対応できる場合は大きな問題とはならないのですが、高齢者のみあるいは一人で暮らしている場合には、こういった問題がのちのち大きくなってしまうこともあるのです。
■セルフネグレクト
高齢者が住む住宅がゴミ屋敷になりやすい原因として、セルフネグレクトが指摘されることもあります。セルフネグレクトとは、認知機能や気力、体力の衰えによって、これまで通りの生活を送るための行為が行われなくなってしまう症状です。
セルフネグレクトになった際、以下のような日常生活に関わる行為が行われなくなってしまう例が報告されています。
・トイレでの排泄
・食事を摂る
・お風呂に入る
・外出や通院をする
このように日常生活を送る上で当たり前の行為が行われなくなった結果、住まいがゴミ屋敷となってしまうケースも少なくありません。
■相談・依頼できない
高齢者にありがちなケースとして、「人に頼むと迷惑がかかってしまう」という思いが強く、誰かに相談・依頼することができないことが挙げられます。
近所に相談しやすい知人や窓口がなかったり、家族だからこその気遣いがそうさせてしまったりすることもあるのでしょう。しかし、その結果としてゴミ屋敷が進行してしまう事例も報告されています。

持ち主のいなくなってしまった実家を片づけたい

親が亡くなってしまったり、施設に入居したりして、持ち主がいなくなった実家は、いつかは片づけなければなりません。
しかし、ゴミ屋敷あるいはゴミ屋敷まではいかずとも物の多い家の場合は特に、「何から手を付けたらいいか」考え込んでしまうこともあるでしょう。
ここでは、そういった場合にどうしたらいいのかを見ていきます。

遺品や思い出の品を残したい

「故人の遺品や思い出の品を残しておきたい」と考える人は多いので、本格的な片づけを始める前に、まず家の中にある家具や物品などを「残すもの」と「捨てるもの」とに分けておきましょう。
実家を片づける際、ゴミや不用品が多いと作業が大変になります。なぜなら、回収業者や自治体のルールによって処分方法が異なるためです。
特に一軒家の遺品整理となると荷物の量が膨大で、専門業者が作業をしても数日かかることもあります。
それに加え、大型の家具や家電などは搬出するだけでも重労働となり、地方自治体のゴミ処理施設に持ち込む場合は「トラックの準備」や「荷物の積み下ろし作業」も発生します。
そのため、体力的に非常にきつい作業となります。

不用品の処分を急ぎたい

実家の片づけを行う際、以下のケースのように「不用品の処分をなるべく急ぎたい」と考える人も多くいます。
■賃貸の場合（期限が決まっている）
故人が賃貸物件に一人で住んでいた場合、物件から退去するまでは家賃がかかり続けることとなり、遺族の金銭的負担になってしまいます。
そのため、賃貸オーナー側と退去日について相談し、その日までに部屋の片づけを済ませておく必要があります。
■居住者がいなくなった場合（空き家リスクがある）
居住者がいなくなった家は、空き家になってしまい、固定資産税が大きく跳ね上がるリスクが生じます。
現在、空き家は日本国内で大きな問題となりつつあります。
こうした理由もあってか、最近では2015年5月26日に「空き家対策特別措置法」が施行され、以下の条件に該当した場合に「特定空き家」に認定され、固定資産税が従来の6倍となるケースも発生しています。
・衛生上、著しく有害となる場合
・放置することで倒壊もしくは保安上危険となる恐れがある場合
・景観を著しく損なっている場合
そのため、住む人が誰もいなくなり、空き家となってしまう場合は、早めに売却するか賃貸に出すなど、手放すことを考えるべきだといえるでしょう。

業者に依頼することでスムーズな遺品整理を

ゴミ屋敷とまではいかずとも、物の多い実家の片づけに悩む方は少なくありません。
しかし、「ゴミの量が多い」「遺品の整理に時間がかかる」などの理由から、作業が思うように進まないケースは多くあります。
なかには「賃貸物件の退去日が近付いている」「空き家を抱えたくない」といった理由から、「なるべく早く片づけを終わらせてしまいたい」と思っている人もいるでしょう。
そこで、片づけをスムーズに進めるための解決策として「プロに依頼する方法」がおすすめです。
ここからは専門の遺品整理業者に依頼するメリットをまとめていきます。

精神的な負担を軽減できる

それぞれの遺品には故人の思い出が詰まっているので、それらを捨てることは精神的につらいものです。
特に故人を失った悲しみがまだ癒えていない状態で、大量の遺品と向き合うことは精神的な負担が大きく、悲しい気持ちで押しつぶされてしまい、作業がそれ以上進まなくなってしまいます。
そこでプロの業者に作業を依頼することで、遺品整理を代行してもらえるので、家族の「精神的な負担」を取り除くことができます。

体力的な負担を軽減できる

遺品整理や部屋の片づけは、荷物の量が多ければ多いほど、体力的にもきつい作業となってしまいます。
たとえば、サイズが大きい家具や家電などは搬出するだけでも重労働になります。さらに地方自治体のゴミ処理施設に持ち込む場合、「トラックなどの車両」や「荷物の積み下ろし作業」も必要となります。
また片づけた後の部屋の清掃も、大変な作業です。
しかし、こうした作業を業者に任せることで「体力的な負担」から解放されます。

重要な遺品を探してもらえる

故人が亡くなってしまったことで、「貴重品」や「不動産関係の書類」などの重要な遺品が、どこにあるかわからなくなってしまうケースも多くあります。
特に故人が認知症をわずらっていた場合、生前に場所を確認しても聞き出すことができず、結果的にゴミ屋敷の中を自力で探すことになってしまいます。
しかし、遺品整理業者に依頼した場合は、そうした重要な遺品の捜索もお願いできます。
経験豊富な専門家なので、金銭的価値があるものだけでなく、写真や小物などの思い出の品も事前に伝えることで、きちんと分別してもらうことができます。

時間を節約できる

遺品整理や部屋の片づけは、非常に時間のかかる作業です。
特に一軒家の遺品整理や片づけともなると、処理する荷物の量は膨大であり、専門業者に任せても数日かかるケースもあります。作業に慣れているプロであっても、それくらいの時間がかかるため、個人が自力で作業するとなると途方もない時間を要すことは想像に難くありません。
こうした悩みを専門業者に相談すれば、無料で出張して見積もりをしてくれるため、実際の金額を聞いた上で判断することもできます。
あなたも一人で悩まず、プロの業者を活用しながら負担を軽くしてください。

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