思い出の詰まった肉親の遺品整理。「捨てられない」時どうすればよいのか？
目次
故人が残した遺品はどれも思い出が詰まっていて、その遺品を見ただけでもその人との思い出がフラッシュバックしてしまい、「捨てることなんてできない…」と感じる人も多いことでしょう。実際に多くの人が遺品整理をするときに、こういった悲しい気持ち・つらい気持ちを抱えることがあります。
しかし、いつまでもそのままにしておくことができないのが遺品。「遺品の整理は心の整理」とも言われ、遺品をしっかり整理することとは、故人への供養となるのと同時に、遺された人たちの悲しみ・思い出の整理にも繋がります。
この記事を読んでいる方の中には、なかなか遺品整理ができず困っている方やそういったつらい気持ちを抱えている親族にどう向き合っていいか悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。この記事では「肉親の遺品を整理する方法」や「捨てられない場合の対処法」などを紹介しますので、参考にしてみてください。親の遺品整理が進まない…
これまで育ててくれた肉親との別れは、非常に辛いものです。
遺品整理をしないといけないと分かっていても、なかなか進めることができない方も多くいます。
その理由はさまざまですが、心の整理がついていないから
親の死という現実を受け止められず、気持ちの整理がつかない状態では、遺品整理を進めることは困難です。
悲しい気持ちに蓋をして作業を始めてみても、いざ親の遺品を目の前にすると故人との思い出がフラッシュバックして精神的に辛くなり、結局手が止まってしまうことになります。
処分していいかどうか分からないから
親が残した遺品の中には、故人が大切にしていた物も少なくないため、それらを処分することに罪悪感を抱いてしまうことも少なくありません。
頭では捨てなければならないことがわかっていても、捨てることへの罪悪感が勝ってしまい、遺品整理が進まない原因となってしまいます。
また、中には骨董品など値打ちのあるものが遺品として遺されていることもあります。一見どれくらい価値があるのか分からないものでも、希少なものであることも少なくないため、簡単に捨てることができないこともあります。
遺品整理のための時間が取れないから
故人が亡くなった直後は、お通夜や葬儀、告別式などやるべきことが多く、なかなか遺品整理のための時間を取ることができません。
故人の遺品は日用品のみならず、家具や家電、衣類、貴重品など多岐に渡り、それらをすべて整理するとなると、膨大な時間を要してしまいます。特に一軒家の遺品整理となると、専門の遺品整理業者であっても数日かかることも珍しくありません。
その上、自分で処分作業をする場合、当然ながらゴミの廃棄まで行わなければなりません。
生活用品にはあらゆる種類のゴミやリサイクル品があります。大型の家具や家電などは、その積み下ろしや地方自治体のゴミ処理施設に持ち込むにしてもトラックの手配や日程調整などが必要となります。
遠方に住んでいて、移動に時間がかかるから
核家族化が進んだ現代では、親と離れて暮らしているケースも多く、移動時間などを考えると遺品整理を進められるだけのまとまった時間を確保することが難しくなっています。
特に仕事や子育てなどで時間が取れないケースも多く、「やらなければならない」とわかっていても、なかなか進まないことが多いです。
親の遺品整理を進めたい！でもどうすれば？
親の遺品整理を進めると決心したあとも、何から取り掛かっていいのか、何に気を付けなければならないのかを考えてしまい、結局そのまま前に進めないこともあります。親が残した遺品の整理を進める際、無理に進めなくてもいいことやできるだけ早く進めた方がいいことがあります。特に多くの方が悩むポイント・やってよかったポイントをまとめてみましたので、参考にして見てください。
無理に捨てなくてOK。悩んだら「一旦保管」してもいい
遺品整理を進める中で、「捨てて良いか判断が付かないもの」はどうしても出てきます。
たとえば、「親が大切にしていた思い出の品」や「資産価値があるかすぐに判断が付かないもの」などです。
その場合は、その場で無理に判断する必要はなく一旦保管しておくと、その後の作業がスムーズに進みます。
具体的には一時的に保管するための専用ボックスを用意しておき、判断に迷ったものを入れておいて、時間が経ってから再度ボックスを見直してみると良いでしょう。
ご自身やご家族の気持ちの整理をしつつ納得して進めることが、のちのち後悔しないためにも必要なポイントです。
形見分けや供養をする
故人の遺品を整理する方法として、「形見分け」や「供養」を行う選択肢もあります。
形見分けとは、故人が生前に愛用していたものを親しかった友人や親戚に分けることを指します。
選ばれる物品としては、衣類や小物類、アクセサリーなどが一般的です。形見分けは絶対に行わなければならないものではありませんが、故人を偲んで下さる方々への礼儀として、昔から続く風習となっています。
形見分けを行う順序として、まず遺品整理を行って故人の遺品を「残すもの」と「捨てるもの」とに分けます。その後、「残すもの」の中から故人と縁の深かった方々に形見分けとして贈り、故人との思い出を共有します。
その他にも、遺品をお焚き上げする供養方法もあります。
※お焚き上げとは？ 言葉の意味
通常は上記のように神事にかかわる品物を神社で預かり火にくべて神様にお返しする神事を言いますが、最近では遺品整理の際などにも次のような観点から導入されるようになりました。日本では、「昔から大切にしていたもの」や「気持ちが込められたもの」には「魂が宿る」と言われており、「粗末にしてはならない」とされてきました。そのため、遺品整理において故人が生前大切に扱っていたものを粗末にできず、捨ててしまうことが躊躇われる場合には、「お焚き上げ」を行ってはいかがでしょうか。古くからお焚き上げは、残された遺品が故人の元へと届けられるとされているため、故人が大事にしていたものをこうして届ける、という選択肢もあります。周りに相談をする
遺族が故人の遺品を整理する際、遺品を目にすることで故人を思い出してしまい、悲しい気持ちに押しつぶされて「手が止まってしまう」というケースは多々あります。
そんな時は、我慢せずに周りに相談してみましょう。
-知人、友人に相談して気持ちを整理する-
もしあなたが、故人を失ったショックから立ち直れていない場合、親しい知人や友人に相談してみるのもいいかもしれません。
仲の良い相手や故人を知る人であれば尚更、あなたの気持ちに寄り添ってくれることでしょう。あなた自身も、一人で抱えずに誰かに話すことで少しずつ気持ちが晴れてくるかもしれません。
あるいは、あなたの周りの人が大切な人を亡くしたことで落ち込んでいる場合は、優しく寄り添ってあげることも大切です。
-身内、親族に相談して一緒に整理する-
哀切な肉親を失ったことで悲しい気持ちを抱えたまま、遺品整理を進めるのは非常に辛く、大変です。
身内や親族は故人と関係の深かった人たちでもあります。精神的・身体的負担がかかることを理解してもらいやすい関係であるともいえますし、身内である分、故人宅（部屋）に入ってもらうことにもお互いが抵抗ないのではないでしょうか。
故人を失った気持ちを共有でしつつ、複数人で整理することで作業の負担も軽減することもできます。
-片付けなどの作業は業者に依頼する-
心の整理がまだついていない状態で、大量の遺品と向き合うことは精神的につらいものです。
そんな場合は、「専門の遺品整理業者」に依頼することをおすすめします。
一般的な不用品回収業者ではなく、遺品整理の専門業者に依頼することで、故人の遺品を大切に扱ってもらえ、遺族の心の負担も軽減できます。
さらに大量の遺品を整理するのにかかる時間、体力面の負担も業者が引き受けてくれるため、故人を偲ぶ時間を作ることができます。
つらい気持ちの中、無理に故人の遺品とのお別れはしなくてもいい
肉親との別れは、これまでに経験したことがないほどのつらい気持ち・苦しい気持ちになると言っても過言ではありません。生前の故人の姿が忘れられない、後悔していることがある、もっと会いたかった……そんな気持ちを抱えているのはごく自然なことで、そういった気持ちから抜け出せなかったとしても自分を責める必要は全くありません。
遺品整理、といっても必ずしも一度にすべて整理してしまう必要はなく、「今はまだ捨てられない」「もう少し一緒にいたい」ものがあれば、それらは何らかの形で手元に置いておく選択肢もあるのです。
一方で、もし周囲の人たちが遺品整理を進めているとしたら、そこには何らかの理由があることも考えられます。例えば、故人の住まいが賃貸物件である場合や、相続のための整理が必要な場合などです。こういった場合は、やはり速やかに遺品整理を進めなければならないこともあります。もしあなた一人で判断できない場合、専門業者に相談しながら、今すべきことや、まだこのままにしておきたいことを伝えた上で、その方法を選択していくのが良いかもしれません。
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